女性の食生活デザイン vol.4
“地産地消で食生活をデザインする”
日本の食料自給率は、カロリーベースでみると、昭和40年に73%であったものが昭和50年には54%に、そして2007年8月10日に公表された食糧需給表によると、平成18年の概算では39%になり、40%を下回りました。さらに2018年度の日本の食料自給率は37%(カロリーベースによる試算)と過去最低でした。2019年度には38%に上昇しましたが、62%は海外からの輸入に頼っているという数字です。
現状の日本の自給率は、国民1人・1日当たり供給熱量を用いて算出すると、約993kcalのエネルギー自給量で、この値は日本人の食事摂取基準2020年版における1~2歳男児の推定必要エネルギー量を満たす程度の値です。
地産地消(ちさんちしょう)という言葉を聞いたことはありますか?農林水産省は地産地消を「国内の地域で生産された農林水産物(食用に供されるものに限る。)を、その生産された地域内において消費する取組です」と説明しています。「安全面から国内産を選んでいる」という声を耳にします。これ以外にも、地産地消には、地域農産物の伝統的な食文化の理解の向上、食料自給率の向上、そして輸送にかかるエネルギーの削減というメリットがあります。
私たちは、自由に選択し、好きなものを、好きな時に、どこででも手軽に食べられる食環境にいます。しかし一方では、わが国の食料自給率は低く、成人の体を支えるエネルギーをとるためには輸入に頼らなくてはならないという面も持っています。オリンピックが日本で行われ、世界中から様々な食分野や食習慣をもつ選手たちがやってきています。こういう時期だからこそ、自国の地元の食材や食文化を再確認してみませんか。
自分の食生活デザインチェック
地元の特産品を知っている はい・いいえ
「はい」を選んだ方へ:「SDGs(エスディージーズ)」は、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。SDGsは、2015年9月の国連サミットで150を超える加盟国首脳の参加のもと、全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられました。私たちひとりひとりができる地産地消は、SDGsの取り組みです。特産品を知っているあなたは、それを利用することで地産地消を実践してみましょう。
「いいえ」を選んだ方へ:毎日の食事の中で食べる食物がマンネリ化していることはないでしょうか?都道府県のホームページなどには、地域の農産物の情報が数多く載っています。「あれが地元の食材だった!」と新しい発見があるかもしれません。