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2022年10月01日
コラム

女性のこころ vol.7

“女性に多いこころの病:パニック障害”

電車の中で息切れがする、飛行機に乗って飛行中は機内から出られないと思うとなんだか心臓がバクバクして不安になる。こんな経験をされた方もいるのではないでしょうか。

これがもっと重篤になって、理由もなく息ができない、汗が止まらない、吐き気がする、胸が苦しい、手足が震えるといった発作が起こり、生活に支障が出る障害を「パニック障害」と言います。このような症状が出て、病院で検査を繰り返してもどこにも異常が見つからない場合、「パニック障害」とされることがあります。
パニック障害は、女性の方が多いとされていて、ある疫学調査では女性が男性の2〜3倍とされています。

このコラムで以前にも引用していますから、すでにご存知の方もいると思いますが、診断基準で多く用いられているのがDSM-5です。DSM-5はAmerican Psychiatric Association(アメリカ精神医学会)が策定したものを、日本精神神経学会が日本語版を監修して出版しています。

DSM-5に示されているパニック障害の診断基準にあるパニックの症状をわかりやすくまとめると、以下のようになります。「動悸(心拍数が増える)、汗をかく、震えがくる、息切れや息苦しさ、窒息するような感じ、胸が痛い、吐き気、めまいや気を失う感じがする、寒気」などです。
このような症状が予期せず起こり、強い恐怖や不快感が数分以上続きます。
また、再びパニック発作に襲われるのではないかという心配や強い不安が1ヶ月以上続きます。このような心配や不安を予期不安と言います。

ちなみに、ある特定の場所に行くと発作が起きそうで怖い、発作が起きた時にそこから出られないのではないか、恥をかくのではないかと恐怖に感じ、特定の場所を避けるようになることを広場恐怖といいます。日本語で広場というと公園の広場などオープンな感じがしてそこからすぐ逃れられるのでは?と不思議に思うかもしれませんが、広場=特定の場所という理解がわかりやすいかもしれません。多くは電車・バス・飛行機など公共交通機関の中や映画館、人混みの中などで不安を感じるようです。広場恐怖が強くなると、引きこもりがちになり、学生生活や社会生活にも影響が出てきます。

パニック障害の治療では、薬物やカウンセリングが有効と言われています。うつ病の時にも書きましたが、自己診断は危険ですので、心配な場合は必ず専門機関(心療内科や精神科)を受診しましょう。

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