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2022年04月01日
コラム

女性のこころ vol.1

“女性はうつ病になりやすい???”

女性が一生涯のうち、うつ病になるのは何人ぐらいだと思いますか?

サドック (Sadock) らによると、大規模な疫学調査の結果、国や文化の違いに関わらず、うつ病は女性が男性の約1.6倍から2倍の有病率であると言われています。
女性が多い原因として、ホルモンの違い、出産の影響、更年期の影響、女性と男性の心理社会的ストレスの違いなどがあげられています。

うつ病の平均発病年齢は40歳ぐらいと言われていますが、患者の50%は20〜50歳に発病するとされているので、どの年齢でも発病する可能性があると言えます。なお、最近のデータでは20歳以下でうつ病が増加していると示されているものもあります。ちなみに、日本のうつ病の特徴としては、中高年が多い、若年層のうつ病が多いことが特徴とされています。

さて、一生涯のうちでどれくらいの人がうつ病になると思いますか?一生涯のうちでどれくらいの人がうつ病になるかを「生涯有病率」と言います。調査によって結果に幅があるので一概には言えませんが、うつ病の生涯有病率は5〜17%と言われています。そして、うつ病はどの精神疾患よりも生涯有病率が高いと言われています。17%という生涯有病率で考えるならば、5〜6人に一人は、一生涯のうちでうつ病に罹るということです。しかも、先程述べたように、女性の方が男性の2倍の有病率とすると、女性は4人(または3人)に一人ぐらいの割合で、うつ病になると考えられます。これを考えるとうつ病がいかに女性にとって身近な病気なのかがお分かりいただけるかと思います。つまり、うつ病は女性にとって他人事ではない病気なのです!!

次回はうつ病の症状について解説します。

参考文献:
サドック他(監修 井上令一):カプラン臨床精神医学テキスト 第3版,DSM-5診断基準の臨床への展開.メディカル・サイエンス・インターナショナル,2016

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