女性の食生活デザイン vol.10
“コロナ禍における女性の暮らしのふたつの側面”
新型コロナウイルス感染ではオミクロン株の波にのまれている2022年2月のコラムです。ウイルスに気をつける暮らしはまだまだ続きそうです。
女性へのコロナ禍における暮らしには、ふたつの側面があった、とレディースクリニックの臨床現場から医師が報告しています。良い面として「在宅での仕事は、自分と他人との仕事の区分をはっきりさせた」、「仕事を中断させられる横やりがはいらない」、「会社における人間関係によるストレスから解放された」、「通勤時間が自分の時間になった」、「外食・中食が多かったが、在宅勤務では自炊のため、健康的な献立が可能」、「付き合いの飲み会に参加しなくてすんだ」などがあり、悪い面として「在宅勤務や休業で一日中家の中にいる。仕事帰りに寄っていたスーパーマーケットなどに行かなくなったので、生活必需品の買い物さえ3日に1度だった」、「オンとオフの区別がないため、仕事が長時間になった」、「在宅勤務時間中に常に(会社や上司から)連絡が入り、監視されているようでストレスが増した」、さらには「家飲みが増えた。時間は無制限で」、「おやつを通常より多く食べた」などがあったそうです。
良い面からは、通勤での移動がなくなり消費エネルギーは減少したものの、外食等が減り摂取エネルギーも減り、バランスのとれた栄養摂取ができるといった良い影響があったことが想像できます。逆に悪い面からは、活動量の低下、摂取エネルギーの増加やバランスの悪い食品の摂取による体重や体脂肪の増加、筋力の低下など健康に対して悪い影響があった可能性が考えられます。
良い面と悪い面を最終的に選択するのは自分自身です。新型ウイルス感染症の蔓延により私たちの生活は、それ以前と大きく変わりました。生活の変化が良い方向に向かうようにするには、これまであたりまえと思っていた生活について、深く考え、環境の変化に対応し正しい方向に向かうことができる能力を育てることが必要です。
食生活は毎日の継続ですが、同じではありません。美味しいお茶でも飲みながら、体重の増減や体調、生活リズムや嗜好を一番よく知っている自分とじっくり向き合って、食事について考える時間をもち、自分にあった食生活をデザインしてみましょう。