お知らせ

2021年10月01日
コラム

女性の食生活デザイン vol.6

“新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下での食生活の変化”

今月のコラムも先月に引き続き国民健康・栄養調査対象者の疫学研究NIPPON DATA2010の追跡調査の結果をもとに、2020年4~5月の新型コロナウイルス感染症の第一波流行中(主に緊急事態宣言発令中)の食生活について、コロナ流行前との違いを概説します。

間食する頻度や量が増加した女性は18.3%で、男性の8.7%よりその割合は高かったです。また年代別では、間食する頻度や量が増加した者は65歳未満で18.6%であり、65歳以上より高い割合でした。自粛生活は、女性と65歳未満の人にとって、間食の頻度と量の増加という体重増加につながる食生活になりやすかったと言えます。

一方、野菜を食べる頻度や量が増えた者は、男女とも減った者の2倍以上(男性で13.1%、女性で14.3%)多く、また自宅で料理したものを食べる頻度が増えた者(男性15.2%、女性19.2%)は、減った者の6倍以上でした。自宅での調理が増えることで、野菜摂取量が増加したと考えられています。自粛生活は野菜摂取では、好ましい方向に変化した人が多かったと言えるでしょう。

65歳未満では、食事の調達方法・様式に変化が見られました。「自宅で調理したものを食べる頻度」が増加した者が25.9%、「スーパーやコンビニの弁当や総菜、テイクアウト、デリバリーの利用頻度」が増加した者が15.7%で、65歳以上の約2倍でした。これらの年代層での食生活の変化は緊急事態宣言による働き方の変化(在宅勤務の増加)や外出自粛などによると考えられる、とこの調査では結論付けています。

また男性への調査からは、関東や近畿の一部地域では飲酒の量や頻度が増えた人が多かったことから、自宅での飲酒量増加による健康影響に注意する必要があることがわかっています。

継続的に自分の食生活を客観的に見て評価することで、体の変化に気が付くことができます。今後もウイルス対策を行う生活は続くでしょう。食欲の秋を迎える今、秋の夜長に自分の食生活と向き合って、自分に最適な食生活をデザインじっくり考えてみましょう。

自分の食生活デザインチェック

コロナ禍で食生活や食習慣が変化した  はい・いいえ

「はい」を選んだ方へ:変化した内容を把握していますか?そしてその変化は自分の体調や健康にとって良い影響でしたか?悪い影響でしたか?変化を知ること、そしてその変化が自分にとってどのような影響があったのかを知ることが、改善への第一歩です。
「いいえ」を選んだ方へ:食生活に変化がないと考えている方は、食事だけでなく生活全般に視野を広げて自分を観察してみてください。夏から秋へと季節が変わり、生活リズムや体調に変化があるかもしれません。自分をみつめることで、楽しく健康的に秋を過ごすヒントを見つけることができるでしょう。

ページの上部へ